今、こども達の育ちが危うくなっています

—いじめや不登校、少年犯罪、こころとからだの「活性」の低下—

ものに埋もれ、食べるに不自由しない暮らしの一方で、不登校、非行、犯罪、生活習慣病など、こどもに係わるさまざまな社会現象が目立ってきています。こども達のこころとからだの両面において、「活性」が急激に低下しているのではないかと心配されます。

こども達自身の危うさばかりではありません。こどもの日常生活において、事故や犯罪などの危険が迫り、いじめや児童虐待など友達や親子の人間関係においても、さまざまな問題が顕著になってきています。家庭や教育現場や街などさまざまな場において、こども達に係わる問題が多発しています。
 

こども達を取り巻く環境が悪化しています

—都市化の進展の中での「こどもの視点」の欠如—

わが国の1950年代以降の半世紀は、高度成長とそれに続くバブル経済に象徴されるように、経済的な繁栄を目指して、都市への人口集中と自然破壊が進み、機能や効率が優先される都市生活の中で、家族や社会のありようが大きく変化してきました。こうした中で「こどもの視点」が欠如していたのではないでしょうか。核家族化や少子化の進展に伴って、家族関係が変化し、地域社会の崩壊が危惧され、自然体験や社会体験を含む多様な遊びとその環境が貧困化し、メディア環境がこども達を取り囲み始めています。

家庭、居住環境、地域社会、学校、街、メディアなどこども達を取り巻く環境が大きく変化してゆく中で、環境の変化がこども達にどのような影響を与えるかが十分に把握されておらず、対症療法的な対策でしか対処できていないのが、現状ではないでしょうか。こども達を取り巻く空間や社会的環境とこども達の心身の成育との関係についての科学や学問は確立されていないのです。こども達が元気に成育できる社会環境を構築するためのロードマップが必要です。
 

こどもの成育に寄与する環境づくり

— 実践者と研究者が連携する学際的な総合科学 —

こども達には、自分たちが育つ環境を選ぶことができません。未来を担うこども達が心身ともに健全に育つことができる環境を保障することは、社会全体の責任です。

この責任を果たすために、学問の領域を超えて、こどもを取り巻く環境=「こどもの環境」の問題に関心や係わりのある研究者や実践者が集い、共に研究し、提言をし、実践してゆくなかで、こどもの成育に寄与する環境科学を確立し、こどものためのよりよい環境を実現することが、『こども環境学会』の目的です。

また、アジアをはじめとする世界各国において、こども達を取り巻く環境はさまざまに異なっていますが、こども達の健全な成育は共通の課題であり、各国の研究者や実践者が連携して協力し合うことが重要であることから、そうした機会を本学会が提供できればと願っております。

こども達のために豊かな成育環境を実現することに関心を持っておられるすべての方々の参加をお待ちしております。